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工作編-フレームアームズ「玄武」

「玄武」をカスタマイズ

フレームアームズ「白虎」に引き続き、新川洋司氏デザインの「玄武」を、
オリジナルカラー&マーキングで制作しました。

マーキング用のマスキングシートやデカールは、
今後の商品化も検討しての試作となっております。

今回は工作編です。キットに加えた加工やディテールアップについて紹介します。


まずは仮組み。大きくてすごい迫力です。シリーズ中で最も曲面が多い機体ではないでしょうか。水モノっぽいカスタムが映えそうですね。
白虎から継承されているディテール等もあり、楽しんで組み立てられました。

武装類の後ハメ加工


キットに付属する武装類はピンやピン穴をカットする等を行うことで後ハメができます。

後ハメ加工するとキットのままではマスキングが必要な箇所をマスキングせずに塗装できるようになりますが、代わりに組み立て後の剛性が下がるなどのデメリットもあります。

コツは、パズルの感覚で気楽に後ハメ方法を考えること。難しそうだなと思ったら無理せずに説明書通りに組み立てることです。


多目的ランチャーの可動式グリップをネオジム磁石を使用して別パーツ化してみます。
軸(3mm)があった部分に2.5mmのドリルで穴を開けます。
ゴッドハンド社「スピンブレード」を使い、底面を平らにします。
「直径2.5mmのネオジム磁石」を埋めこみます。グリップには軸穴に。「3.0mmのネオジム磁石」をはめこみました。これで完成です。

この工作は

グリップを畳んで塗装 → グリップを展開して再度塗装

という二度手間を省くための工作です。また武器本体部分が外せると、
武器を持ち替えさせたい時などにグリップを外しやすくなるなどのメリットがあります。

(多目的ランチャーは大きいので、ネオジム磁石だけではすこしグリップの固定が緩くなります。肩に抱えることで安定するので、今回に限っては問題なしとしています)

股関節の後ハメ加工


股関節は画像右の状態から左の状態に加工して後ハメします。ここは負荷がかかるところなので組み立て時にはしっかり接着したほうが良いです。


膝関節の加工は、定番のハの字カットです。

腹部の後ハメ工作は、白虎を制作した際に使った方法がそのまま流用できました。
詳細はこちらをご覧ください。
「白虎」TR3デカールでカスタム・塗装例

各部ディテールアップ

肩パーツ「7R」の削り落とし


肩の側面装甲はデカールを貼るのにちょうどよいキャンバスになると判断し、7Rのディテールは削り落しました。

ツインパイプ2に交換


丸いディテールがあった箇所にはドリルで穴を開けて「面取りビットWC」で面取り加工。「ツインパイプ2 3.0」を埋め込んで表層スラスターっぽくディテールアップしました。

センサーパーツのディテールアップ


ライフルの先端にあるセンサー状のディテールは、合わせ目消しの都合で一旦切除し、合わせ目処理後に、「SPプレート2 2.5mm 」を貼り付けてディテールを再生します。

さらにSPプレートにはオーロラドームをはめ込んでディテールアップします。
※こちらのオーロラドームは試作品のもの


前腕部分は肘関節や装甲パーツを挟み込む構造なので、こちらも塗り分けを考慮して後ハメ加工しました。
画像のように加工するとハの字にカットした肘関節をパチッとはめてから、グレーのパーツを手首側からスライドして組み込めるようになります。

グレーのパーツはスライドするときにほかのパーツと擦れて塗膜が剥がれる恐れがあるので、クリアランス調整が必要になります。サフを吹いた時点で確認しておくと塗装後の事故が防げるでしょう。

STDスラスター「フラット」装着


各部のスラスターは、先日発売したばかりの「STDスラスター フラット」でディテールアップします。


足裏に元からあるディテールを切除し、0.5mmのプラ板を貼った上に「5.5mmのSTDスラスターフラット」を接着できるように工作しました。


装甲とスラスターの間に”あえて隙間を作る”ことで奥行きを与え、
一体型のプラパーツを塗り分けただけでは再現ができない密度感を作ることができます。

今回の使用例のように、足裏など既存の装甲パーツに埋め込んでしまいたいときに便利に使えるのが「フラット」の特徴です。

各種ディテールアップパーツの接着は、すべて「ハイグレード模型用セメダイン」を使用しています。
マスキングテープをパレット代わりにして、爪楊枝などを使い対象に塗っています。

玄武の特徴的なボール状スラスターには特に工作等は行わず、「10.0mmのSTDスラスターフラット」を置いてみただけなのですがそれっぽく見えるのでこれでOKということにします。

スジボリ工作

胸装甲にある凹ディテールは、「ラインスクライバー0.15mm」を使用しパネルラインを彫り込みました。
スミ入れがシャープに仕上がり別パーツ感を表現できます。ラインに沿って別の色に塗り分けたりするのも面白いかもしれません。

サイドの穴は開口して面取り


脛装甲のサイドの丸いディテールはドリルで穴を開け、「面取りビットWC」で面取りします。足首のフレームがちらっと覗けるようになるのがポイントです。

脛正面の六角形のディテールもドリルとナイフを使い切除しました。
裏側からエバーグリーンのスリットプラ板を貼り付けて、排気ダクト風にします。

加工後(サフ)画像

完成(プラ板貼り付け後)画像

初登場のFXパイプに換装


脇から腰に伸びている動力パイプは、5.0mmの「FXパイプ」「FXジョイント」に交換します。まずキットのパイプ部分を切除し、基部に3.0mmの穴を開けます。
3.0mmのプラ棒の中心に「センタードリラー」で穴を開けて基部パーツに埋め込み、ここにFXパイプ(の軸にしたアルミ線)を接続します。


塗装後のパーツにFXパイプを組み込んでみた画像。
元のパイプより太くてゴツゴツした印象に変わり、より力強い感じを演出できました。
脇部分はFXジョイントの軸をはめ込むだけでよいので特に加工は必要ありません。

※FXパイプを塗装して使用するときは、形を完全に固定してから塗装したほうが良いです。動かすと塗装が剥げます。

頭の内部を塗り分け

ヘルメットの隙間からかすかに見える頭部の動力パイプは、「円形マスキングシールS」を使って塗り分けました。C字にカットした円形マスキングシールを根元に貼って境目をマスク後、残りの部分をマスキングテープで覆い隠します。
基本塗装を終えて仮組してみた画像。
今回は丁寧に塗り分けてみましたが、筆塗りで済ませたほうが簡単に済むのではないかと思います。ヘルメットパーツを装着してしまうと筆むらも目立ちません。

以上、工作編でした。
次回は完成編です。お楽しみに!


フレームアームズ
玄武

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