ハイキューパーツの公式ブログ「テクニカルガイド」

ピールオフデカールの使い方

ピールオフタイプのデカールは、デカールシートの右下にマークが付いています。
このマークが付いていない弊社のデカールは、ピールオフ対応ではありませんのでご注意ください。

使い方については「図解」を基本としてください。

所作確認のために写真付きの使い方解説がページ後半にありますが、写真では説明しにくい箇所があるため、必須な作業は「図解」での説明を基本としています。使用しない柄などで練習してから使用してください。

ピールオフデカールは、貼付けた後に「カバーコートを剥がして使う水転写式デカール」です。

ピールオフデカールは、グロス・セミグロスの塗装面への貼り付け推奨です。
無塗装面に使用できないこともないですが、密着が不十分になりやすく剥がすときに失敗しやすいです。
クリアパーツに貼り付けるときも貼り付け面にクリアなどの塗装を推奨します。

水転写式デカール貼りに慣れた中・上級者向けです。
一般的な水転写式デカールを貼ったときに、シルバリング(気泡噛みや白浮き)が発生している場合には、このデカールの「剥がせる」効果を発揮できません=ピールオフ時に一緒に剥がれてしまいます。

シルバリング防止には、貼り付け面をグロス、セミグロスに塗装するなどの予防措置が有効です。

ピールオフデカールの使い方

図解
半透明の無色透明な保護シートが全体にかかっていますので剥がします(写真参考)。

一般的な水転写式デカールとの違いは1点だけ。「カバーコートがあとを剥がせるか剥がせないか」の違いです。

弊社のSIJ印刷デカールや自作用デカール用紙などのアンダーコートのデカールもありますので、カバーコート(オーバーコート)と呼称しています。

昔からの呼び方では、ニス層と呼ばれることが多いですが、印刷の上にある層なのか、下にある層なのかで扱い方が変わりますので、弊社では分けて呼んでいます。


カバーコートの周囲を台紙ごとカットします。

一般的なデカールを使う時には仕上がりを良くするために、インキの周辺をギリギリまで切り詰めて、オーバーコートごとカットすることがありますが、ピールオフデカールでは不可です。必ずカバーコートの周囲をカットしてください。剥がしにくくなります。


陶器皿に水とキムワイプなどを置いた湿地帯を作り、台紙に水を吸わせます。この水の含浸が不十分だと、カバーコートを剥がすときに不具合が出ます。水で濡らした筆などでデカール表面をつついて、軽く動くようになるまで水を吸わせてください。

水転写式デカール用の湿地帯作りについては別ページで解説があります。

水の上に浮かべて、デカールが浮いてくるまで待つのは悪手です。ノリが流れ出してしまいます。


台紙を抜き取るようにしてデカールをスライドさせて貼り付けます。
水に濡らした筆などで位置調整をします。

水転写式デカールを貼り付ける面は、必ずグロスかセミグロス推奨。マットなつや消し面に貼る場合は密着不足になり、カバーコートを剥がすときにデカールごと一緒に剥がれてしまうトラブルを起こします。

(デカールフィクサーを含め)デカール用添加剤は使用非推奨です。本デカールに含まれるノリ成分のみ使用するのが一番密着性が高いです。やむを得ず使いたい場合は、すべての液剤をデカールの下から押し出してください。


安定して乾燥させるには12時間から24時間が必要です。ですが、製造から日が浅いものでは必要時間が短くなる傾向にあり、また、貼付け状況を良質にすることで1-2時間でも剥がすことが出来ます。作業に慣れてきたらスピードアップ可能です。

貼り付け面が良質とは、グロスやセミグロスに近い状態であること、油脂や汚れが付いていないことです。良質にすることで剥離可能になる時間が短縮できます。

ドライヤーや温風での乾燥は推奨しません。


十分に乾燥させた後に、カバーコートの端などにマスキングテープなどを軽く当てて、ゆっくり剥がします。
ゆっくりと少しずつ剥がさないとインクが浮き上がることがあるので注意してください。


完成です。
ですが、面積的に密着力が不足し、塗装面にインクが乗っているだけの場所もありえますので、必ず保護のためにクリア塗装をしてください。クリア塗装は、砂吹き→ウェット塗装を推奨します。


左図は正常なパワーバランスです。インクが塗装面に正常に張り付いていない状態だと、Aの力より、Bの力が強くなってしまい、貼り付いたインクが剥がれてしまいます。

上手くいかない場合の見直しポイント
①添加剤を使った場合は、液をすべて押し出す
②乾燥時間不足
③カバーコートを剥がす勢いが強すぎる

写真では説明しにくい箇所がありますのでページ前半の図解を基本としてください。
使用しない柄などで練習してから使用してください。

写真入りの説明

デカールの上層には印刷保護用の保護フィルムがあります。写真の用に台紙と一緒にカットするか、

保護フィルムだけ剥がし、必要な場所をカットしても構いません。


保護フィルムを剥がしました。


陶器皿に水とキムワイプなどを置いた湿地帯を作り、台紙に水を吸わせます。この水の含浸が不十分だと、カバーコートを剥がすときに不具合が出ます。水で濡らした筆などでデカール表面をつついて、軽く動くようになるまで水を吸わせてください。

水転写式デカール用の湿地帯作りについては別ページで解説があります。

水の上に浮かべて、デカールが浮いてくるまで待つのは悪手です。ノリが流れ出してしまいます。


作業したのが、室温が高く乾燥が早い時期なので(7月中旬)、デカールフィクサーを使いました。乾燥して貼り付いてしまうまでの時間を延ばすことができ、位置決めの時間も長く取れます。

(デカールフィクサーを含め)デカール用添加剤は使用非推奨です。本デカールに含まれるノリ成分のみ使用するのが一番密着性が高いです。やむを得ず使いたい場合は、貼り付け時にすべての液剤をデカールの下から押し出してください。

貼り付けたい場所にたっぷり塗ります。水溶性なので、あとで清掃できます。

台紙からのスライドには、水で濡らした筆を使います。貼り付け位置に近づけて、台紙を抜き取るようにスライドさせます。

デカールの位置調整も、水で濡らした筆が便利です。先端でつついたり、移動させたりできますが、筆が痛むので使い古しのコシのある筆がオススメです。

位置が決まったら、初期接着を待ちます。固定が始まる初期接着前に、綿棒やデカールスキージーで扱い始めると、巻き付いてしまうトラブルに繋がります。
少し放置した後に、デカールと貼り付け面に残った液を押し出します。

マスキングテープなどを透明層の端にくっつけて剥がします。画像の柄では問題ないですが、なるべく鈍角部分から剥がし始めます。鋭角の柄の場合、カバーコートを剥がす時に欠損しやすいです。

周囲にはみ出たノリなどを清掃したら完成です。

カバーコートがなくて見栄えが良い代わりに、インクが最上層にあるため、構造上弱い状態です。

クリアコート、つや消しコートをして完成です。

表面に保護用のクリア塗装が必要です。必ず、低圧で砂吹きから塗装して、少しずつ吹き付けてください。カバーコートがない分、溶剤が影響しやすいです。

失敗して剥がしたい時は?

コンパウンドを使った剥がし方

剥がせるような密着具合の場合、そもそもピールオフが機能しないため、マスキングテープなどでは剥がせません。コンパウンドか紙やすりで削り取ります。詳細は図解を参照
※模型用ラッカー塗料面に貼り付けた例として説明しています。


綿棒に粗めのコンパウンドをつけて削ぎ落とします。

画像では、3Mの5936Rを使っていますが、ノンシリコンで粗めのものであれば代用可能。

ノンシリコン、ノンワックスのコンパウンドを使うこと。油脂が含まれると、この後の工程で水や塗料、デカールの密着を妨げてしまうため、コンパウンドの種類には注意が必要です。



研磨剤が表面に残っていることが多いので水洗いなどでよく清掃します。
表面が荒れてしまった場合は、クリアを薄く塗装してグロス状態に近づけるとデカールの貼り付きが良くなります。