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デカールのシルバリング対策・補修法

シルバリングをなくしたい

いろんな個人サイトでも紹介されていると思いますが、手順を追ってシルバリングを治す方法を紹介します。

クリア塗装したあとには、ちょっと難しいかもしれないので、乾燥時間をよく取って、取り返しがつく辺りで気がつくのが肝です。

原因はいろいろある

シルバリングの原因は、主に考えられているのが

  1. 貼る面がざらついている(つや消し、半光沢の塗料の上など)
  2. デカールが古くてノリが死んでいる
  3. 水に浸けるときにノリが全部流れていった
1はつや消しまたは半光沢の場合、クリアを少し吹きつけて表面をなめらかにしてから貼れば防げます。2はノリを添加する(マークセッター、デカールフィクサーなど)、3は水につけすぎ。水に浸けるのは2秒くらい。裏面が濡れたらその水分でデカールが剥がれるまで待つ。
で、予防策をしっかり取っていても、いろんな原因でシルバリングすることがあります。その場合のリカバリー方を紹介していきます。

テストピース

今回用意したのは6cm角のプラ板です。左がいろいろ混ざってるうちにあった混ぜグレー。右が半光沢で販売されているグレー(比較的最近買った)です。

半ツヤ塗料が原因のサンプルを作りたくて、わざとざらついた塗装面に貼ってみたんですが、予想通りにはいかないもので、しっかり貼れてしまいました。

以下は貼って1日乾燥させた状態です。

上は新しいデカールなこともあって、しっかり貼れています。下は2年前の生産。デカールはやはりナマモノですね。この状態でクリアを塗装するとデカールは浮いたままになります=シルバリング。

こっちのほうが顕著ですね。これを修正していくわけです。

カッターで穴開ける

新品の刃が好ましいです。ツンツンするくらいでOK。余計な剥がれとかして欲しくないので、切れ味のいいやつで、穴を数カ所開けます。やっちゃいけないのが、ス~っとカットすること。一本ならいいんですが、筋が交わるとクリアニス層が剥がれて大変です。

使うのがマークセッター。ソフターでもできないことはないですが、デカール面が傷んでいるので溶けっちゃったりします。危険。

これを上から塗ります。そして、まだ中に空気があるところは、さっきと同じようにカッターでつつきます。

あとでクリアを塗装すれば多少の傷は目立たないので入念に。蛍光灯などの光を真上から当てると反射がわかりやすいです。

ちょっと密着したであろう4−5分後にフィニッシュマスターまたは繊維の出にくい綿棒でコロコロします。あまりいじくっているとデカールが歪んだりするので適度に。

(筆で密着させるとダメージが少なくていいそうです)

こっちもですね。同じように穴あけて、中にマークセッターを流し込みます。マークセッターは使う前によく振るといいと思うのです。

「密着ッ!」

こっちもやりますね。

美味しくできました

一晩乾燥させまして、修正終わりました。

完全乾燥状態でこのとおり。

こっちもばっちり。

ここまで来ればクリアを塗装してもOKです。私は2枚ほど溶かしてしまいましたが、まずは砂吹き。少しずつクリアを塗装してデカールを溶かさないように。切れ目が入っていることでかなりデカールはデリケートになっています。

それと、補修途中はよく乾燥させないと状態がわからないので、しっかり乾燥。しっかり待機。大事です。

一部加筆・訂正しました

2022/7/28