プリンターメーカーでは、純正品以外のトナーやインク、用紙の使用を推奨しておりません。保証などが受けられなくなります。
諸注意
試作業種向けの製品で、印刷業者への発注や、量産に移る前にテストとして使用することを想定しております。試作用途であり(主に解像度面で)製品レベルには達しておりません、あらかじめご了承ください。加えて、弊社のクリアデカールTH以外は推奨しておりませんので、他社用紙を使用する場合は必ずテストをお願い致します。
クリアデカールTH+レーザープリンター白トナー
トナーはRICOH SP C250L・260L専用品です。ほかの機種では使用できません。危険なのと機種によってトナーの温度設定が違いますので、移し替えようとか思わないでください。また適合プリンターの供給がなくなった場合、白トナーも製造が終わる場合があります。あらかじめご了承ください。
MacOSX+イラストレーターCCで解説しておりますが、プリンターが動く環境であれば刷れます。
CMYKモードでデータを作れるソフトウェアが必要です。(例:Adobe Illustrator、Photoshopなど)。または黒一色(白一色)で使用する場合はほかソフトでも可。
まずはセットアップ編
最下段の手差しの設定以外は重要ではないので読み飛ばしてもOKです。








黒は黒で差し替えで使いますので、捨てないで取っておきます。白が入っていた箱も黒の保管に使用しますので捨てないでください。


用紙は手差しトレイから差し込みます。印刷面(青い面)が下側に来るようにします。
おそらくオートフィーダー(中)でもできるのですが、ローラー部分にデカールのノリが付くと故障につながるため、手差しトレイ推奨です。
最初何枚かは黒いブラシの繊維みたいなものが付着するので普通紙で何枚かテストしたほうが良いです。印刷機の仕様っぽいです。
用紙設定は厚紙2
白トナーを使う場合、用紙設定は厚紙2(106から160g/m2)に指定
給紙トレイは手差し(普通給紙トレイだと用紙を送れません)
クリアデカールTH用紙以外、または普通紙設定など薄い紙用用紙設定にした場合にローラーが汚れることがあります。洗浄が必要です(軽度な汚れであれば前面トレーを開けて清掃できます。重度の汚れの場合ローラーを外して洗浄が必要。後日ブログで紹介します)。
2017年12月13日出荷分より印刷予定場所周囲への不要な飛散を抑えるトナーに変更されました。クリアデカールTHでは適合を確認しておりますが、必ず用紙設定は「厚紙2」に指定してください。
いよいよ印刷編です!
今回のエントリーで使用しているデータです
IllustratorCC
はがきサイズ用紙でそのまま印刷に使えるデータをアップロードしました。
※データ再配布禁止
※営利目的での再配布・販売禁止
※個人での利用に関しては制限ありません
testofcleardecalth2015.zip
zip ( 圧縮 ) ファイル 1.4 MB
テスト印刷用データを用意しました。以前のエントリーで使用したものをちょっと変更してあります。
サンプルデータ
白を印刷するには、K100で指定します
サンプルデータを利用して、オブジェクトのカラーをすべてをK100に変更。この状態で、
上の設定で印刷すると白単色で印刷されます。ポイントは、グレーの印刷方式。黒1色に指定します。

解像度はレーザープリンターなのでそれなりです。K=(WH)しか使っていないため、網点も出ません。
同じ設定でトナーを黒に戻すと

もちろんフルカラーでも印刷できます
トナーCMYKのセットの状態で、テストデータを印刷します
フルカラーで出したいので、印刷品質CMYK、グレー印刷方式はCMYK4色にします。

解像度はプリンターの性能によるため、あまり綺麗とは言えませんが、離れてみれば中間色も綺麗に見えます。
が、もちろんですが、白は印刷されません。

ここからは応用編です 瞳デカールを作りたいときなど
プリンターの仕様で、カラーの下に白を入れることができません。元の用途を考えると、黒の上にCMYをのせる必要がないので、当然なのですが、別刷りすればあとは貼るときに2枚貼ればOKです。
左の画像について。龍はCMYで作成。同じ龍をK100%で隣に並べて印刷すると、同じ用紙に白と、CMYで作られた龍が印刷されます。あとは、白を先に対象物に貼って、上にカラーの龍を同じ位置に貼れば暗色の上でも発色します。
※白い対象物に貼りたい場合はこの限りではありません
右の画像は、同じデータで、トナーを黒に入れ替えて印刷したものです。
ちょっとここで問題が
白と黒は同時に出せないのかという疑問ですが、出せません。
黒の代替として理論上はCMYを100%ずつにすれば出そうなところですが、黒に結構近い青みがかったグレーっぽい色ででます。
なぜこの話になるかというと、左はKトナー時。右は白トナー時です。同じデータを使用しています。白とカラーを同時に出せれば用紙が1枚で済むところですが、CMYだけでは濃い色の表現が苦手なようで、左と右のデカールを組み合わせて(つまり2枚に印刷)使用したほうが良さそうです。

蛍光の可能性とやら
蛍光ホワイトの他に候補になる白は3つくらい、プリンターも3つくらいあったのですが、A4サイズに収まり、なおかつ白濃度と、クリアデカールTHへの定着性、市場価格を考えるとRICOH SP C250L以外に選択肢がなかったのですが、蛍光白ということは、紫外線ランプに反応するわけです。
UVランプを照射した状態で撮った写真。可能性!


貼付けについて
デカール印刷後は、各自で柄の周囲をハサミで切り抜いて使用します。あとは通常のシルクスクリーン印刷のデカールとほぼ変わりません。
クリアデカールTHに印刷した場合に限りますが、印刷面はかなり頑丈です。SIJ印刷デカールよりも頑丈です。クリアデカールTHは極薄のため、段差にも馴染み、デカール添加剤(マークソフターではなくマークセッター推奨)を塗布すれば曲面にも馴染みます。白ボディーに限定すれば痛車風デカールなどイラストの印刷にも適しています。
上乗せのクリアはGSIクレオス「GXクリア(スーパークリアIII)」推奨ですが、SIJ印刷デカールほど気を使わなくても丈夫です。
ちょっとピンチ&大事なこととお願い
業務用トナー(白とか)をA3プリンター用しか作らなくなる方向にシフトしつつあるということで、かなり気になっています。Tシャツとかに使用する業者がほとんどのため、A4プリンタータイプは需要がかなり低いと。。。ピンチです。模型業界にはいっぱいあるのに。
A3プリンターは、ほぼ2倍の大きさで、ちょっと個人の部屋には大きすぎるのでA4用がなくなってしまうと、本体もトナーももっと高価になってしまいます。なので、A4タイプが需要があるということを、PRせねばならず。
個人で使用する模型用としてはA4がベストと思っています。もし原稿で使っているプリンターからの買い替えなどをご検討の方は導入を考えていただけますと幸いです。
追記:容量はA4印字2000枚【A4に約980文字(MS明朝10.5pt)=画像面積比5%】ということです。数人でシェアするのが良さそうですね。
SIJ印刷(hiqprint)とC250Lの比較
ハイキュープリントの方でSIJ印刷のサンプルを申し込めます。同じデータを使って、両機で印刷したデータをスキャンしました。スキャナなので中で光が入り、透けて若干色が淡くなっております。未調整です。
SIJ印刷見本。ハガキサイズを拡大したものです。
C250Lで印刷したもの(白トナー非搭載)。ハガキサイズを拡大したものです。斜線が目立ちますので試作レベル。ですが、離れて見る分にはいいかと思います。
レーザープリンターを長く使うためにお願い
レーザープリンターに使用されている”感光体”は、使わない期間が長いと
劣化したり、ヒビ割れたりすることがございます。
そのため定期的に使用(回転させる)することで劣化スピードを緩めることができます。
RICOH SP C250Lも例外ではありませんが、
C250Lは小型化のために、感光体とトナーが一体化しております。
そのため、毎色ごとに感光体が付属しております。

C250Lは一体化しているため、使わないでおくとトナーと感光体が一緒にダメになります。
そのため、定期的に使用することをオススメ致します。デカール用紙に印刷する必要はありませんので、4色+白トナーを使って1ヶ月に1度はテスト印刷をお願い致します。
一体化のために感光体だけを取り替えることができないため、ご協力願えますと幸いです。