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2022年版 水転写式デカールの使い方

この記事内で「デカール」が指すものは、

水を使ってデカール本体を台紙から剥離させ、

本体をスライドさせて対象物に貼り付ける水転写式のデカール

を指します。プラスチックモデルのキットについてくるデカールや、別体で販売されるデカールも、「水転写式」と書いてあれば印刷方式を問わずこのデカールと同一です。

※別名のスライドマーク、水デカール、水転写デカールも同じものを指します。

一般的でない水転写式デカールとして、インクやトナーの受け止め用の透明樹脂があらかじめ全体に塗布された用紙を使用したデカールがありますが(いわゆるクリアデカール・自作用用紙を使うもの)、この記事の使い方が適さない場合もありますので、参考にしないでください。各々の使用説明書に添ってください。

弊社では「一般的でない水転写式デカール」の販売がありますが、その場合は注記と使い方を紹介しています。

例:SIJ印刷デカール(カスタムアイデカール類)、CF印刷デカール、ハイキュープリント製デカールなど

注意:箔を使用したデカールは、コーティングが大変デリケートなため、この記事の対象外です。
注意:紹介している液剤や工具は、各人で向き不向きがあります。自分の作業環境に合うものを使いましょう。


基本的な流れは「清掃」→「剥離」→「貼り付け」→「清掃」

以下はデカール付きキットなどにある説明書の一例です。

1.貼る場所のほこりや汚れを、濡らした布できれいに拭き取ってください

2.貼りたいデカールを、台紙ごとハサミで切り取り、1枚ずつ水またはぬるま湯に台紙を下にして20秒くらい浮かべる

3.水から出してタオルの上に乗せて、指先でデカールが動くか確かめて、貼るところに静かにおいて静かに台紙をずらす

4.指先に水をつけて正確な位置にデカールを動かしたあと、柔らかくよく水を吸う布でデカールを押さえて内側の水や気泡を押し出す

5.デカールが完全に乾いたら、少し水をつけた布でデカールの周りの糊を拭き取ります

以上を踏まえて、詳細に手順を説明します。一部前後するのと使用道具が違いますが基本は同じ流れです。

結局のところ何秒くらい水に浸ければいいの?

何秒が大事ではないので、剥離を確認しながら進めます。吸湿性の台紙に水が染み、中間層にある水溶性ノリが溶け、表面のデカール本体が剥離してスライドできるようになるが大事なので、秒数は関係ありません。気温と水温にも関係するので、夏場は短く、冬場は長い時間が必要です。

使いたい柄を切り出します

使いたいデカールを、台紙ごとハサミで切ります。タミヤのデカールバサミが使いやすく、愛用しています。小さなハサミがあれば他のものでもOK。扱いに慣れている人はデザインナイフなどで切り出します。

デカールの使い方

台紙に水を染み込ませる

切り出したデカールを「湿地」に置きます。たくさんデカールを貼る作業がある方は、プラモ向上委員会 デカーリングQuickトレイが便利です。小皿にキムワイプを置いて水で湿らせた「湿地」があれば代用可能です。

上の説明文で「台紙を下に」とあるのは、剥離した瞬間にデカール本体が浮かんでしまうためです。面倒なことになるので湿地を使うのがオススメです。

デカーリングQuickトレイの注意点は、常在菌です。精製水を使うとカビが生えやすいので水道水を推奨です。また、こまめに洗浄しましょう。カビだらけになったときはキッチンハイターで洗浄できました。

水を貼った容器を使う場合は、浮かべたままにしないようにしましょう。後半にある図で紹介しますが、貼り付けに必要な糊が流れ出してしまい、貼り付け力が不足します。

デカールの使い方
水を含んだスポンジの上に置いて、十分に水が染み込むまで待ちます。

デカールが台紙から剥離して台紙の上で動くようになったかどうかは、濡らした筆でチェック。動くようなら水の吸わせが完了です。この状態になるまで待たずにピンセットなどでデカールを持ち上げると、ちぎれたり歪んだりします。

デカールの使い方

貼り付ける前に貼り付ける面を確認

ホコリが付いていたり、長期間放置していた場合は、薄めた中性洗剤などで洗いましょう。

デカールを貼り付ける場所はグロス(つや有り)の表面にします。つや消し表面に貼る場合は白浮き(シルバリングなど)や貼付け不良の原因になります。デカールを貼る場所だけクリアを吹き付ける、塗るなどでも白浮きの予防効果があります。別記事でシルバリングしてしまった場合の補修方法を紹介します。

デカールの使い方

貼り付けます!

画像では弊社のデカールフィクサーを使っています。が、ないほうがやりやすい人もいますのでなくてもOKです。生産から2年くらいたった古いデカールや、扱いに心配があるひとはデカール貼りの助けになります。

細いデカールや、大判デカールなどちぎれやすいデカールを貼るときにも便利です。

デカールフィクサーを塗った上に、デカールを貼り付けます。

デカールの使い方

デカールフィクサーを塗る目的は

(1)ノリを増加することと → 古いデカールに特に有効

(2)塗装面から水が弾かれないようにするため。親水性の液でデカールと塗装面の密着性を高めること

(3)滑りやすくなり位置調整がしやすくすること → 細いデカールがちぎれにくくなる

台紙をスライド抜き取ります

デカールフィクサーを塗った上に、デカールを貼り付けます。(できれば)水で濡らした筆でデカールを押さえて、台紙をピンセットでスライドして抜き取ります。デリケートな細い形など、力をあまりかけられないデカールを使う場面で有効です。

デカールの使い方

位置調整

手早く、位置を調整します。水転写式デカールが優れている点の一つが位置調整がしやすいことです。水で濡らした筆でつつくなどして、位置や角度を調整します。一度貼り付いてしまったデカールも、短時間の間であれば、隙間に筆を差し込むとまた位置を調整できます。

デカールの使い方

初期接着を待ちます

初期接着を待ってから、余分な水分や気泡を追い出します。画像ではデカールスキージーを使用しています。面で追い出しができるため、綿棒よりも押し付けやすい工具です。初期接着を待たずに追い出しの工程を始めると、綿棒やデカールスキージーに巻き付きます。また、液剤(軟化剤など)を含んだデカールスキージーを使うと、同じく巻き付くことになりますので、きれいな水で清掃してから使いましょう。

追記:初期接着は、指(筆)でいじっても動かなくなる状態くらいです。貼付け面にひっつく力と、スポンジにひっつく力が逆転すると、スポンジにひっつきます。

デカールの使い方

清掃して完了です!

デカールスキージーを再度清掃した後にしようします。はみ出した余分なノリや水の跡を清掃します。

十分に乾燥させたら模型用ラッカークリアなど任意の塗料でコーティングします。

デカールの使い方

まとめ図説 ミクロ視点で何が起きているか