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陸上自衛隊07式-III型戦車 なっちん改造「なっちんE」 工作・塗装編

コトブキヤ製の「なっちん」は今回で6体目です。塗装してもよし、塗装せずにガチャガチャ遊ぶにも良しの良いキットです。説明書通りに組み立て&塗装するのであれば難しいところはないです。

今回はなっちん「E」と題して、大型レドームを装備した早期警戒「陸上」機を作ります。

・3Dプリンターで追加パーツレドームとスリッパを使る

・ルミドーム2蛍光ピンクを使う

・デカールの試作テスト

の3つを目的に定めました。

3Dプリンターで追加パーツ作り

3D造形には、Fusionを使いました。以前はこのソフトウェアはFusion360と呼ばれていましたが、名前がFusionに変わっています。Fusionは教本も多数出ていて学習しやすく、基本操作はこの教本がわかりやすく体系的にまとめてあります。2人居る著者のうちの一人の動画コンテンツでも詳しく操作方法が解説されています。

今回はフォーム(Form)という機能を主に使って作っていますが、3DCADというより粘土細工に近い造形方法です。粘土系の造形をしながら、更にソリッドモデリングとデータをソフトウェア内で行き来できるので、寸法が重要な「ドームをはめる穴」や、「足とスリッパの嵌合」の調整などは、組み合わせで形を作れるのでFusionの利点が生きています。

頭に乗せるレドームパーツ。8つの穴にルミドームを埋め込みます。魚類の頭がモチーフです。
スリッパ。題材はホバークラフト。キットの足で履けるように大きめに作っています。
3Dプリンターで印刷後に表面をなだらかにしてからサーフェイサーを塗装したところ。
かなり重たいため、台座で支えないと前に転倒しそうです。
塗装してデカールまで貼ったところ。このパーツだけ艶有りで仕上げたいのでデカールの段差が目立たなくなるようにデカール乾燥後にクリア塗装→2000番で滑らかに→再度クリア塗装をしています。
ある程度の段差は、厚めにクリア塗装をすれば目立たなくなります。
ルミドーム2を取り付けるのに、今回はSPプレートを使用します。ルミドームと接触する部分に少量の接着剤「セメダイン模型用ハイグレード」を塗ります。
ルミドームを嵌めて、接着します。
今度は、レドームパーツとの接着です。同じく「セメダイン模型用ハイグレード」を少量塗って、SPプレートとルミドームの合体物を接着します。
取り付け完了。動かす場所ではないので、「セメダイン模型用ハイグレード」でも取れることはまずないです。紫外線硬化樹脂の接着剤では光が当たらない部分が硬化しないため、今回は不適です。

ルミドーム2はUVライト(画像のものは397nm付近の波長)を使用して発光(励起)させています。ルミドーム2の蛍光ピンクは、昼光下ではピンク色、UVライトで照らすとオレンジ寄りになります。

コーションデカールのテスト

2025年後半以降に発売を予定しているコーションデカールの新シリーズ「AMP」デカールのテストも兼ねています。ただし、なっちんには小さすぎるので、1/100用を想定した拡大したものを使っています。試作品ですので今後収録されない柄もあります。また、細部が変わる可能性もありますのであらかじめご了承ください。

マークの練習

せっかくなので隊のマークを作りました。A-10Cにも見られるAir Combat Commandのエンブレムを参考にしています。
レドーム用にも作り起こし。広域・早期警戒用で、抑止力として機能させます。「NEVER TO STRIKE. ALWAYS TO PREVENT」(決して攻撃せず。常に阻止する)のモットーと、広域レーダーをイメージさせる企業のロゴです。

塗装

あまり使ったことがない色で塗装したかったので、ガイアノーツのダグラムカラーを用意しました。

アイアンブルーがベースカラー、
グレーグリーンがメイン、
ライトグレーグリーンはアクセントとして細部にある丸い突起などに塗装します。

この3色を70:25:5くらいの比率で使用。あとはバランスを邪魔しない無彩色のグレーや白で塗装します。

肩のシールド裏の塗り分け

狭いところが多いので塗り分けが大変ですが、塗り分けると見栄えが増すところです。カット用のパスデータを作ってカッティングプロッターでマスキングシートを切り出して塗装しました。

細部塗装

周囲は市販のマスキングテープで覆います。
塗分完了。色の境界は、スミ入れをするとシャープに仕上がります。

次回は完成編です。

使用キット


陸上自衛隊07式-III型戦車 なっちん

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