デカールフィクサーを発売してからかなり年月が経っているのですが、デカールフィクサーの使い方について「改めておさらいしよう」的な記事です。
弊社のデカール印刷部門であるハイキュープリントで印刷されたデカールも、デカールフィクサーを使って貼ると失敗が減らすことができるので、一緒に使うことを推奨しています。デカールフィクサーを持ってない場合でも、現在は各社からデカール用添加剤が発売されているので、自分にあったものを使って問題が起きていないのであれば切り替える必要はないです。適材適所でお願いいたします。
詰替え用の販売もあります。
水転写式デカールの使い方についてはまとめページを参照してください。
デカールフィクサーの良いところ
水に溶ける
デカールフィクサーがはみ出しても、あとで水で溶かして取り除けるので塗装面を侵して痛めることがないです。
水性塗料の塗装面に貼る場合においては、溶剤入りの添加剤では塗装面を痛める可能性が高いです。また、はみ出した液を拭き取りたい場合も、模型用ラッカー塗装面には使える「マジックリンなどの弱アルカリ性の液体」が使えないため、デカールフィクサーは水性塗料ユーザーに適しています。
滑らせが得意
構造的に脆い形のデカールでも、デカールフィクサーをたっぷり乗った上に貼り付ければ、デカールの破損を防いで貼り付けやすくなります。別記事あり
大判デカールを貼る場合でも、局所的にくっついてしまうトラブルを防げ、位置決めに取れる時間が大幅に増えます。
ノリ不足を補う
デカールがもともと持っている糊が経年劣化などで弱まっている場合や、小さな柄でもともと糊が少ない場合なども、デカールフィクサーを予防的に使うことで乗り不足からくるシルバリングを抑制できます。
デカールフィクサーの良くないところ
軟化剤ではない
軟化成分は入っていないため、溶剤入りの軟化剤のように柔らかくすることはできません。場合に応じて、必要な部分にだけ軟化剤を少量塗布するような使い方が必要です。
実際の使用手順を紹介

①切り出した水転写式デカール(以下デカール)を湿地帯(別記事で解説があります)に乗せます。裏面に水を含浸させて、しっかり剥離したのを確認してから次の作業に移ります。

②貼り付ける予定のパーツは、つやあり(グロス)の状態に塗装しておくと、シルバリングを抑制できます。
(つや消しになっている場合は、デカールを貼り付ける場所に一旦クリアを吹き付けると、トラブルを予防できます)
貼り付ける場所に、デカールフィクサーを塗布します。不必要にデカールフィクサーを大量に塗る必要はないですが、デカールよりも少し大きめに塗ります。はみ出したデカールフィクサーはあとで水で拭き取れますので神経質にならなくてもOKです。

⑤デカールの下には、「デカールフィクサーの液」が残っているので、デカールスキージーなどで放射状に押し出します。
初期接着を待たない状態でこの作業をすると、デカールが塗装面に貼り付く力より、スキージーに貼り付く力が大きいため、巻き付くなどのトラブルになります。かならず初期接着を待ってから押し出しの作業をします。








