前回、基本塗装を行ったグライフェンの細部塗装を行います。
髪の毛のグラデーション塗装
ガール系キットの醍醐味である、髪の毛の塗装を行います。
まずはホワイトサーフェイサーで下地を塗装。
今回は成型色と同系統の色に塗装するので、全体的にホワイトに塗れていれば問題ありませんが、青⇒赤や黄色に塗りたいなどの場合は、完全に真っ白になるようにしっかりとサフ吹きをすると良いです。
基本色のラベンダーを塗装しました。この状態から、純色シアンを重ね吹きします。
純色シアンでシャドーを入れ終わりました。グラデーションは、カメラで撮ると、肉眼よりも若干薄く見えます。
写真に撮ることを優先するなら、肉眼で見たときに若干濃いめにシャドーを入れるのがちょうど良いようです。
アーマー部分は、オリジナルのグリーンから、より深海探査をイメージできるようなカラーリングに変更。実在する潜水艇を模したイエローの基本色に、ブラックのラインをアクセントに入れたカラーでまとめようと思います。
スミ入れをします
細部の塗り分け作業と並行して、塗り終わったパーツにはスミ入れ、拭き取りを進めます。
使用しているのはタミヤのスミ入れ塗料ダークブラウンです。今回に限らず、多用しています。この一色があれば大抵のキャラクターモデルはスミ入れが可能な汎用性のある色なので、最初の一本におススメです。
フェイスパーツのリタッチ
アイペイントをちょっとだけカスタムしたい
グライフェンにはアイプリント済みのフェイスパーツが付属しますが、アンドロイドっぽいデザインになっています。ホワイトのリングが無機質感を助長しているようなので、ちょい塗りで変更できないか検討します。
瞳の色になるべく近くなるように調色したライトパープルを使ってホワイトのリング下半分を筆で塗りつぶしました。
とても細かい部分なので、ハズキルーペを使い、塗るというより塗料を少しずつ置いていくイメージで、なるべくはみ出さないように慎重に作業しました。
また、塗料がはみ出したときのために、初めにクリアー塗料をひと吹きして表面をコートしておくと、あとで修正が効くので保険として吹いておきましょう。
瞳の色はガイアカラー 019ラベンダーを基本に純色マゼンタ、ビリジアングリーンの上澄みを混色しました。
瞳の色に比較的近い色(今回はラベンダー)を基本にします。純色やクリアカラーなど、混色した時に色が濁りにくい塗料を加えて調整すると、目的の色に近い色が作れます。
続けて瞳孔中心のハイライトも、同じように調色したダークパープルで塗りつぶしました。修正前より有機的な感じになりました。
右目のライトパープルがすこし上にはみ出してしまったので、コンパウンドで磨いて、はみ出した部分を薄く削り取って修正します。コンパウンドは磨きの目的ではなく、塗料を少し剥がしたいというヤスリの目的です。
仕上げに、瞳孔の端にホワイトでハイライトを入れたら完成です。
爪楊枝の先を紙やすりで丸めて、ちょうどいいサイズに調整したら、エナメルのホワイトを先端に付けて点付けします。失敗したらエナメルクリアで拭き取れるので何度でも修正できます。
クリアパーツの塗装
後回しにしていたクリアパーツの処理を進めます。
こだわるなら#1500、#2000と細かく磨けばよりクリアにはなりますが、反面エッジが丸くなりやすいので、パーツの形状や、キット全体でのそのクリアパーツの重要性などを考慮して適度な番手で仕上げます。
有色クリアパーツを無色クリアパーツ風に塗装する
グライフェンのクリアパーツは、クリアグリーンの樹脂で成形されているのですが、これをSNS等で見かけた、無色クリアに見えるように塗装する手法を試してみます。
方法は単純で、対象のパーツの色の補色となる色を吹き付けるだけです。
補色の候補を何色かクリアパーツのランナーに吹き付けてテストしたところ純色マゼンタが一番近い色をしていました。これをバイザーカバーに吹き付けます。
関連リンク:色相環 – しきそうかん | 武蔵野美術大学 造形ファイル
実際に試してみたところ、有色クリアパーツへの補色塗装はとても効果でした。
しかし、クリアパーツの色は、厚みのある場所ほど色が濃く見えます。見る角度によって補色の吹き付け量を細かく調整しないといけません。そのため塗装が難しいパーツもあります。つまり、厚みが一定でないクリアパーツは苦手です。
幸い、グライフェンのバイザーパーツの周囲は装甲色指定なので、バイザーカバー部分をマスキングして、装甲色を塗装します。
バイザーの塗装が終わり、仮組みしたところです。
元がクリアーグリーンのパーツと気づく人は少ないのではないでしょうか。無色クリア風塗装は成功です!
デカールを貼ります
塗装、スミ入れが終わったパーツにはデカールを貼っていきます
デカールは自社製です。パーツに合わせてしましま模様のデカールをデザインしました。
段差の多いパーツにはお湯を含ませたデカールスキージーで優しくコロコロして、柔らかくしたデカールを凸凹に沿うように貼っていくのですが、画像の脚部装甲のように難易度の高いパーツには、気泡が残ってシルバリング(赤丸部分)しがちです。
シルバリングは起こさないことが一番ですが、発生してしまっても、修正することができれば問題ありません。以下でその方法を紹介します。
シルバリングしても大丈夫。修正できます。
シルバリングしている箇所に、デカールフィクサーまたは水を一滴落としてライトの光を当てます。ライトの光が反射して輝いているところがシルバリングしている箇所です。
新品のナイフの刃を装着したデザインナイフで、シルバリングしている箇所にごく小さな穴をあけて、ノリ成分を流し込んでパーツとデカールの間に生じた隙間を埋めます。
コツは塗膜を傷つけないように優しく突くこと。一度にすべてのシルバリングを修正しようとせずに少しずつ作業を進めることです。
うまく修正できれば下の画像の様にライトの光の反射がなくなります。これを繰り返して、残った部分も順番に修正します。
細部塗装は以上です。次回は仕上げ編です。
使用キット
フレームアームズ・ガール
・グライフェン
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