ハイキューパーツの公式ブログ「テクニカルガイド」

四角い穴しか開けれませんが「角穴切抜刀」

特殊な用途の工具は

あまり売れないもの、、、、といいますか、必要としている人がごく少数だと思いますので、あらかじめお知らせしますが、再生産は滞ります。いわゆる職人向け。もしくはプラ板加工大好きマン向けです。普通にキットを組み立てるだけなら、必要となる場面はありません。原型にしたり、とか。武器類をスクラッチする人には出番があるかも。

 

メカモデルでよくある■を何とかして手作業で彫れないかと考えて作ってもらったのが角穴切抜刀です。■の彫込は、彫刻刀の平形をしたもので彫れないことはないですが、直角を出すのが難しいのと、あとは下面の処理をどうするかが問題。

かくあな きりぬきとう

と読んでください。カドアナじゃないです。

 

達した結論は、穴をあけたプラ板を切り出して、貼って、周りを埋めるかそのままディテールにしてしまう。そのために使える角穴が開けられるツールです。下面を削ったり、綺麗にすることはできないです。下面は何かで塞ぐか、もともとある面を利用する必要があります。

ポンチに近い使い方です。でもポンチって書くとハンマーで後端を打ったりする人もいるので、切抜刀としています。

注意

  1. プラ板に刺したまま、ひねると刃が折れます

  2. 穴を開ける時はしたにカッターマットやゴムを引いてください

  3. 厚み0.5mmを超えるプラ板には穴を開けられません

  4. 鋼なので錆びます。手入れが必要です。機械油などを注してください

  5. 後端を重たいもので打ち付けないでください。折れます

  6. 手で持って使ってください。機械工具に付けると、折れます

  7. かならずカッターマットの上で。手に刺さると痛い

デリケートな面も含めて、刃物を理解している(刃物は錆びるとか、ひねらないとか)方、上級者向けです。普段模型を作る人なら大丈夫とは思うけども。

 

小さいよ

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刃先は1mm x 1mmの三角刀のような形をしています。「 と 」を合わせて二回貫通させることで四角を作るわけですね。プラ板にグサッと刺すツール。

 

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差し込んだと後に切り出した部位が内側に動くように加工されています。

 

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開けたい部位に直角に刃を押し当てて、右指で黒い抑え部分を押して、開口します。ねじると危険(0.4mmくらいなら少々大丈夫ですが、1mm厚みに無理やり開けようとしてお尻をぶっ叩くと折れます。した。)

 

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右側がすこしねじれていますが、1mmの角穴が開けられました。

 

適しているプラ板は?

厚み1.0mmのプラ板は、今の方法だと無理そうなんですが(あとで違う方法を試してみます)。

0.5mm以下のプラ板を買い集めて検証してみました。

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Eはエバーグリーン製

Pはプラストラクト製

Wはウェーブ製

Tはタミヤ製

Yはイエローサブマリン製

 

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特に相性が良かったのは◎です。左から

  • 0.3mmプラストラクト製
  • 0.4mm・0.5mmエバーグリーン製
  • 0.3mmウェーブ製

次段で

  • 0.5mmタミヤ製
  • 0.5mmウェーブ製(特に厚み指定がなければ0.3mmのほうが綺麗にできました)
  • 0.14mmイエローサブマリン製(ほかの厚みを持っていなかったためこれしか試していません)

 

柔らかければ角穴が開けやすいというものでもなくて、実際には柔らかすぎて難しいものもありました。あと、薄すぎるとか。

そもそも0.5mm以下の設定が少ないものが多いです。

なので、◎なほど柔らかいというわけではないです。表面のつや具合とかいろいろ関係していると思います。刺すとヒビが目立つとかもありますが、塗装すれば見えなくなりそうです。

0.5mm以下の模型用として販売されているプラ板は綺麗にカット出来ますので、推奨できます。

ムダに切りだすよ!

ロボット系スクラッチ以外に何に使おうかと相談しましたら、IV号戦車のシュルチェンの角穴を開けるのにいいかも!とご意見をいただきました。が、未検証です。

目的なく切り出しましたので、形状が意味不明ですが紹介しておきます。

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切り出してからセンターに穴を開けると、中心からズレてしまうので、角穴をあけてから、周囲を切り落としています。

 

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これは、なんでしょうね・・・・。周囲の切り落としには、アレックスのコーナーナイフ(K-5)を使いました。

 

工夫次第で使える職人向け工具ですね。

いろいろと使い方などに説明しないといけないことが多いため、当面は直販オンラインのみで販売いたします。どうぞご了承ください。

税込1575円。

そのうち1.5mm x 1.5mmや1mm x 1.5mmも販売します。

 

前述しましたが、丸穴を先に開ける方法はどうですか?と提案していただいてますのでそれは後日紹介します。

 

追記

結論から言いますと、1.2ミリ厚のタミヤ製プラ板まで開口できました。で、写真を撮り忘れました。

1ミリしか撮ってなかったなんて。

用意するものは1ミリのドリル刃です。ピンバイスで加えて使いました。

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1.0ミリ厚みのプラ板です。そのままでは硬くて、各穴が開けられないこともないですが、刃が折れそう。

 

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1ミリドリルピンバイス召喚!

 

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まず丸穴を開けて、

 

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角穴切抜刀で刺す! すると、四角穴が空きました。0.7ミリの先穴を開けてやってみたんですが、硬かった。1ミリに1ミリ角穴が良いようです。

 

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開けた穴の縁を綺麗にしたりするのは、これを使いました。たぶん、、、、400番。

 

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もしかしてプラパイプも開けられるんじゃないかなと思って、7ミリ直径くらい、厚み1ミリのプラパイプを加工してみました。

 

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開いた。

 

課題は規則正しく並べて開けたり、綺麗に基準線にそって平行にあけることですが、とりあえず1.2ミリまではちゃんと開口できました。

アイデアなどご協力いただいた方々に感謝です。