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フレームアームズ・ミキシング「鐘馗」その3「塗装編」

ブライトレッドの赤いやつ

メインカラーはガイアノーツの基本カラー「ブライトレッド」を塗装しています。下の画像は色確認の途中段階。胸のヒートシンク(のようなパーツ)をシルバー系で塗装してみたけれど目立たなかったため、金色に塗り直しました。いいと思って塗ったけどケレン味が足りない場面あるあるです。

「ヒートシンクはもっと目立つ色がいいよなぁ」仮組したキットをチェック中。

速いぞTWRスラスター

バックパックのスラスターは、TWRスラスター 10.0mmに交換します。ストレート型(完全に円柱)で2020年1月中旬に発売された新型です。

下の画像が交換前後の画像です。スラスターを接着剤で貼り付けるだけでは、横からの力がかかったときにポロっと取れてしまう恐れがあるので、今回は真鍮線で接続して強固に固定しました。

左が元のスラスター。左が交換後の構成。

キットのジョイント部分を、TWRスラスターの台座として使えるように削りました(画像右)。次に、TWRスラスターのセンターピンに1mmの穴を開けて真鍮線で接続するように加工。簡単に外れないように接着剤も併用します。TWRスラスターはアルミ製なので、鉄工用ドリルがあれば穴あけ加工ができます(模型用として販売されているドリル刃のほとんどは鉄工用です)。刃が滑って指を怪我をしないように注意。

グッと差し込んで…
合体!
ストレート型は、高機動を謳うメカに似合います。

サイドスカートの後ろについているスラスターにはSTDスラスター フラット8.5mmを取り付けました。キットに元からあるスラスターディテールに被せるように接着するだけで下の画像の状態にできます。接着にはセメダイン模型用ハイグレードを使用しました。接着に時間がかかりますが、塗装を侵すことなく強固に接着できます。便利。

追加パーツのおかげで塗り分けの手間も省け、一石二鳥です。

塗り分けで完成度アップ

足裏を正確に塗り分けるには?

使うのは、定番塗装ツールとなった円形マスキングシール。0.2mm刻みで直径1.0~7.6mmまでのサイズをラインナップ。キットを採寸してピッタリのサイズを見つけてください。

使用したのはLサイズの5.8mm。円の周囲を覆うシールです。

円形マスキングシールでスラスターを囲んだら、その周囲を汎用のマスキングテープで覆い、ゴールドを一吹きすれば完成です。

マスキングはよく乾燥させてから

塗装面が未硬化・未乾燥の状態でマスキングテープなどを貼ると、粘着剤が塗装面に転移したり、表面が荒れてしまうことがあります。塗装が完全に乾燥してからマスキングすることが大事です。また、マスキングを施したらすぐに塗装し、塗装後は未硬化の状態でマスキングを剥がすと、色の境目がきれいな塗り分けができます。

左が塗装後。右がマスキングを剥がす前。

マイクロゲージで正確に計測

円形マスキングシールでマスキングするときに「直径1.6mmくらいかな~」と予想で選んで使ったら「ちょっと大きかったので直径1.4mmのに貼り換えよう・・・」という失敗がよくあります。

そこで!解決するために便利なツールを新たに用意しました。それがマイクロゲージ(2020年5月中旬発売予定)です。ディテールの上に透明なゲージを重ねるて、ディテールのサイズを計測します。

ノギスが苦手とする種類の計測を補うのがマイクロゲージです。

柔らかい素材なので曲面にもフィット。「よし!ここは1.4mmでマスキングだな!」

あとは直径1.4mmの円形マスキングシールを貼って塗り分けるだけ。


円形だけでなく、ディテールの幅も判別可能です。いままでは彫刻刀を何度も持ち替えて、溝に直接当ててサイズを判別していましたが、次の画像のように計測することができます。便利。

ここは「0.5mmの溝!」という使い方です。

スミ入れを「くっきり」にするには

工作編でラインスクライバーを使ってスジボリした部分に。スミ入れをしたのが次の画像。もともとは境界線がない凹ディテールでしたが、はっきりと五角形に沿ってパネルラインを彫ったので、くっきりしました。スミ入れのエナメル塗料がはみ出したところを、エナメル溶剤を含ませたガイアノーツ「フィニッシュマスター」で軽く拭き取ればOKです。

楽しいデカール貼りのために

スミ入れ後は、デカールのシルバリング予防のために軽くクリア塗料でコートしてからデカールの貼り付け作業に入ります。デカールを貼り付ける面が、つや消しの状態だとデカールがあとで浮き上がりやすくなるため、塗装面はグロスに近い状態にしておくのが大事。シルバリングを修正する作業のほうが手間がかかるため、前準備にひと手間かけています。あとで楽をするための前準備です。

デカールフィクサーを塗った場所に、デカールを台紙からそっと滑らせながらパーツに移します。

まずは、あふれたデカールフィクサーをデカールスキージーでチョンチョンと軽くタッチして吸い取ります。最初からぎゅっと押し付けてしまうとデカールフィクサーの糊の作用で、デカールとデカールスキージーがピタッと張り付いてしまい、パーツから剥がれてしまいます。スポンジにデカールが巻き付いてしまう場合は、パーツとデカールの接着具合より、スポンジの接着力が高い場合です。スポンジをよく洗う必要があるかもしれません。また、デカールの押し付けを始めるのが早すぎるかもしれません。デカールの初期接着が始まるまで待つのがポイントです。

先端で軽く突きながら水分を吸い取ります。

余分なデカールフィクサーを十分に取り除いたら、デカールスキージーをくるっと半回転させて、円柱スポンジ側でコロコロして、しっかり密着させたら完成です。

個人的には、1/3ずつ3回にわけてコロコロすることが多いです。スポンジを押し付けて面で押し付けていきます。初期接着が始まる前にコロコロし始めて、糊を全部押し出してしまうと、くっつく要素がなくなってしまいます。

面で押す。

試作の「ヘックス迷彩用デカール2」(ハーフカットされていないので、ナイフで切り出して貼り付けています)を貼りこんでから、さらに機体名「鐘馗」の中国語簡体字表記のデカールを重ねて貼りました。部隊証や機体番号、コーションなどを、迷彩系デカールの上から重ねて貼るのもおすすめです。迷彩デカールシリーズは、マスキング塗装では手間がかかりすぎて難しい細かな迷彩塗装をデカールで行うというコンセプトのデカールです。

中央の六角ディテールもラインスクライバーでスジボリを加えてくっきりさせました。

塗装編はここまでです。次回は完成編です。お楽しみに!


使用キット

フレームアームズ
白虎
玄武


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