超薄の代償で
SIJデカールというのは、弊社での呼称で、弊社が小ロット多品種を目的に開発した方式(特許出願済)です。一般的な呼称ではありません(一般的な呼び方で代替は存在しません)。SIJデカールのいくつかある特長の1つに、極薄で段差に馴染むことがあるのですが、それが良い点でもあり、劣っている点でもあります。
このデカールを市販のシルク印刷デカールや、オフセット印刷デカール(昨今のイラスト入り、いわゆる痛車用など)のつもりで扱うと、失敗しやすかったり、貼りにくくなったりしますので、SIJデカールの特別な扱い方について解説していきます。といっても、「水転写デカール」の域外ではないので、慣れれば簡単ですし、仕上がりも良くなります。SIJのほかの利点についてはいずれ。ややこしい。
本当は簡単なデカールの貼り方(通常版の参考にも!)
デカール貼り貼りセット! SIJデカールに特別必要な物はないですが、デカールフィクサーがあったほうが貼りやすくなります。大事なのは扱い方。筆大事。デカールをスライドさせるときの負荷が少なくなって、スライドさせやすい&ノリが強化されます。
- キムワイプ(使いふるしの布でもOK。毛羽立たないティッシュも可)
- デカールフィクサー(マークセッターでの代用不可。溶けます)
- 水
- デカールはさみ
- 対象物(今回はフレームアームズのシールド)
- デカール(SIJデカールの今度出るもの)
- ピンセット(弊社ではKFI ピンセット K-42推奨)
- タミヤモデリングブラシHF平筆No.2 ITEM87047(これ大事)
8番の筆は大事。綿棒でデカールを持って滑らせている人には筆を渡したい。
実践あるのみ!
デカールをシートから切り取ります。台紙が白色ですが、いずれ青色になります。裏に水が染み込んだらすぐに水から上げます。
キムワイプの上に、柄面を上にして置きます。裏面に水が染み込んでいますので、その水分がノリを溶かし、柄面と剥離させる仕組み。。。なので、そんなに長く水に浸ける必要はないです。裏面が和紙っぽいのはそういう意味なので。
初心者が失敗しがちなのは、ここですね。水につけっぱなしにしてしまうとかですね。
初心者が失敗しがちなのは、ここですね。水につけっぱなしにしてしまうとかですね。
<SIJデカール特有の工程>
周囲に透明膜があります。これをピンセットで取り除きます。取り除かなくてもいいですが、あとでデカールと塗装の合間で発見されると、焦ります。
周囲に透明膜があります。これをピンセットで取り除きます。取り除かなくてもいいですが、あとでデカールと塗装の合間で発見されると、焦ります。
<SIJデカール特有の工程>
これが取り除いた透明膜。カットが入れてあるSIJデカール(ヘックス迷彩用デカールは各自が切り取る方式)は周囲の透明膜を取り除いてください。
これが取り除いた透明膜。カットが入れてあるSIJデカール(ヘックス迷彩用デカールは各自が切り取る方式)は周囲の透明膜を取り除いてください。
デカールのノリが乾いてしまう前に、貼る面にデカールフィクサーを塗ります。これを塗ることで、デカールが滑りやすくなります。もともとノリ強化の目的や、水性塗料の上に使えるデカール密着剤のつもりでしたが、滑りやすくなる、これ良い点。
右手は添えるだけ。左手で台紙を抜き取る。これスライドマークの基本的な貼り方。筆はよく水に濡らしておいたほうがいいです。SIJデカールは薄々のために、綿棒などで引っ張ると力が強すぎて歪みます。なので、筆で。筆必須。NCデカールもこの方式を推奨です。
続き。位置の調整も水を含ませた筆で行います。
水の拭き取りと、シワ伸ばしも筆で。
キムワイプ筆の水吸収→デカールの水取る→キムワイプで筆の水吸収
これで。
キムワイプ筆の水吸収→デカールの水取る→キムワイプで筆の水吸収
これで。
デカールのノリが乾きかけて、動かなくなったら、フィニッシュマスターや、綿棒などで圧着させます。筆でもできるけど、圧着大事。ノリが乾きかける前にコロコロすると、デカールが剥がれてきますので、動かなくなってから行います。
で〜きた〜
できた!と思ったらシワがまだ。あとで筆で修正しました。完全乾燥後にシルバリングしてたら修正して、剥がれを防止するために、ガイアノーツ社EXクリアーを薄吹きしました。クレオス「スーパークリアIII」推奨です。
横っちょにハチを貼りました。
ナンバーも貼ってみましたよ。