用意するもの
水転写式デカールを扱ったことがないかたは、慣れるまで忍耐と経験が必要ですが、手順をちゃんと踏んでいけば貼れます。市販品より厚みが薄いので扱いが難しいのですが、薄い方が仕上がりが自然です。
ちょっと長文になりますが、要点を紹介していきます。ちなみに、デカールに付属している説明書は基本的な部分の抜粋です。
- GSIクレオス「マークセッター」 ※夏は少し水に薄めたほうがいいです
- ハサミ ※カッターでも可能
- 筆 ※推奨はタミヤ平筆No.2
- ガイアノーツ「フィニッシュマスター」 ※軸をなくしたので上では爪楊枝です
- 皿 ※上ではお菓子の入れ物のフタにティッシュを敷いて水を垂らしています(後述)
- ピンセット ※細工用のつる首タイプ推奨
解説では、カスタムアイデカール「2-A」の青色110%の目と、「Vol.12(ボリュームジュウニ)」さんが2011年にガレージキットのイベントで販売された1/12ヘッドを使用しました。素材提供、ご協力に感謝です。当時イベントで買いました。肌色レジンキャストのパーツに貼り付けています。
切り出しには小さいハサミが便利です。柄の周囲を大きめに切り出します。
片目ずつ切り出してもいいのですが、今回は両目一気に切り出しました。水を含ませたティッシュや布(画像ではキムワイプ)の上に乗せます。裏面に水が染みこんで透明層と剥離するまで濡れティッシュの上で放置します。水にくぐらせる方法でも大丈夫です。眉と目はセットになっています。切り離さないように注意。
柄の周りにある不要な透明層をピンセットで取り除きます。この段階で取り除かなくても使えないことはないのですが、変なところには張り付いたりしてトラブルの元です。捨てます。
塗装したパーツ、または肌色レジンキャストパーツに貼る場合のいずれも貼り付け場所の「脱脂」が大切です。ラッカー系模型塗料の場合には消毒用エタノール、水性塗料の場合には水で薄めた同エタノールなどで表面の汚れや、皮脂を取り除く事が必要です。
貼り付けたいものにクレオス「マークセッター」を少し水で薄めたものを塗ります。原液のままのほうが良いという方もいらっしゃいますが、柔らかくなりすぎると元に戻らないので薄めたほうが良いようです。夏場は柔らかくなるまで早いですが、冬場や気温が低いと軟化までに時間を要します。
糊が足りない、または何回も剥がして糊がなくなってしまった場合は、弊社デカールフィクサーを使って下さい(軟化成分は入っていません)。水性塗料に「マークセッター」を使い、液溜まりを放置しておくと塗装面を荒らしてしまうことがあります。注意が必要です。
台紙をピンセットで持ち、水を含んだ筆で柄を抑え、「台紙」をスライドさせます。顔パーツに載せた後も位置調整が可能です。
反対側の目も乗せます。
目の位置は、先ほどの筆で調整します。ここで綿棒などを使うと水分を吸い取ってデカールが動かなくなってしまいますので注意を。乾いていくごとにデカールが固定されていきます。デカールを筆で抑えながら間に入っている水を外に出していきます。
ガイアノーツ「フィニッシュマスター」など、柔らかい吸湿スポンジなどで圧着させます。ある程度乾いた段階でこの作業をしないと、スポンジの方にデカールが付いてきます。フィニッシュマスターの柔らかいタイプがあるのですが、それがベスト。標準の硬いタイプを使う場合は水を先に含ませて柔らかくしてから使ったほうがベターです。
できました。上の写真では保護のためのクリアー塗装をしていない状態です。貼り方によっては1−2ヶ月は貼り付いた状態を維持できますが、いずれ剥がれてきますので、クリア塗装が必要です。1−2日乾燥させてからクリアーをエアブラシまたは、薄くスプレーなどで塗装します。ガイアノーツ「EXクリア」は溶剤の影響か、このデカールの印刷面が割れることが多いです。GSIクレオス「GXクリア スーパークリアIII」を推奨します。一回「スーパークリアIII」をコーティング塗装した上に「EXクリア」を塗装するのは問題ありませんでした。
アイペイントはいつかやってみたいけれど、手が動かないという方にとりあえずはデカールから!という提案です。手描きの静謐な感じには到底及びませんが、位置合わせや貼替えなど手軽さはNo.1。ちなみに、図案は普段ドールの瞳描きをされてる方が担当しました。