慣れるまでは
貼るのが難しいと思いますが、慣れればマスキング塗装にはない手軽さと、塗料を使わなくていいので、成型色にちょっと色付けしたいときなどに便利かと思います。
大きく分けると3種類あります
例えば、
- ヘックス迷彩デカール 同系統色用 ブルー(1枚入)
- ヘックス迷彩デカール 白・淡色用 グレー(1枚入)
- ヘックス迷彩デカール 有彩色用 ホワイト(1枚入)
同系統色用というのは、ブルーの場合、「白+青+青」の3色の迷彩ができるデカールです。
白・淡色用というのは、グレーの場合、「灰+灰+灰」の3色の迷彩ができるデカールです。
有彩色用というのは、ホワイトの場合、「白+白+白」の3色の迷彩ができるデカールです。
透けさせているデカールです
いずれも、わざと透けるように作っています。なので、それぞれ下地の影響をうけて色が変わります。
下地に塗りたい色に合わせて選んでください。
いずれ販売になるものも含めて使用例を掲載します。
まずは成り立ちを
ヘックス迷彩デカールができた流れを紹介いたします。
元になったアイデアは、マスキングシートをプロッターカットしたの状態で「らんたん×ぽっと」さんで発売されていたものです。サイトでシルフィードなどに塗装した柄を見ることができます。約2年前だったと思いますが、トレジャーフェスタのディーラーブースでヘックスマスキングシートを見かけたのがこの製品販売の実質の始まりです。ただ、そのままマスキングシートで販売するのは困難で、プロッターでの製作なので歩留まりが良くなかったのと(剥がれなどカットが難しい形状なので)、量産に向かず高価になってしまうことから、弊社で型を使ったシートが作れないかと検討が始まりました。
結局、型でも難しい(コスト面で)ことから、マスキングよりデカールのほうが小規模に作れるのでは?と考えていたのと、ちょうどタイミングよくSIJデカールの印刷方法が確立してきたこともあり、自社で印刷して販売することにしました。
柄の調整などがまた必要になってくると思いますが、なんとか直営店だけでも販売ができるようになりました。
ノンスケール
特にスケールを定めたものではありません。キャラクターメカモデルや、サイズが合えばミリタリーにも。架空戦闘機とか貼ってもらえると嬉しいです。六角の一辺が2mmの柄を標準として、もう少し大きなものも販売する予定です。大きな柄のほうが貼るのが楽になるので、あまり細かい柄は出さない予定です。
肝心の貼り方を
今回貼る対象にしたのは、フレームアームズの榴弾・改についているシールドです。これを頭に使った組み換え歩行戦車を作る予定。
使ったツールや素材は、左から
ヘックス迷彩デカール 白・淡色用 グレー(1枚入)、デカールフィクサー、マークセッター(青蓋の方ですね)、タミヤモデリングブラシHF平筆.No.2(今回一番大事)、フィニッシュマスター(使いませんでした!)、デザインナイフ、ピンセット。
フィニッシュマスターが映っていますが、最後の方まで使いませんでした。
大推薦のピンセット。挟む精度が段違いです。
なんとなく当てます
貼る部分にあわせて切り出すのですが、紙を当てて、どこで切ろうか考えます。
ある程度、4つくらいの塊で区切られているので、透明部分を通るようにはさみで切り出します。
水転写式デカールなので、水に浸けます。ずっと浸しているとノリが流れ出たり、紙と剥離したりしてあわわなので、
裏側が湿ったらそれでOK。すぐに水から揚げて、ティッシュや布、キムワイプの上に乗せてノリが溶解して、柄部分が剥離するのを待ちます。指で触ってスライドするようになったらOK。放置し過ぎるとまたノリが固まります。
デカールフィクサーを貼る部分に塗ります。たっぷり塗ります。で、水で少し伸ばします。試験用紙のため、ノリが弱いのでデカールフィクサーでのノリ添加を進めていることもあるのですが、それよりデカールがパーツの上を滑りやすくするために、デカールフィクサー必須。格段に貼りやすくなります。
SIJデカールおよびヘックス迷彩デカールは、デカール下に溶剤を含んだマークセッターなど添加剤を塗るのは厳禁です。溶けやすいし、滑らないし、扱いにくくなります。(別の場面で使います)
手が二本しか無いので撮れませんでしたが、片方はピンセットで持って、もう片方の手で上記の水に濡らした筆を持ち、押さえ、「台紙」の方を抜き取るようにスライドさせます。
ノリが上手く回っていなかった部分には、筆でよく伸ばしてやります。
ここ重要。フィニッシュマスターや綿棒ではなく、筆でデカールをフィットさせていきます。前者だと力が強すぎでした。
デカールが柔らかいので、このような凹にも入り込ませることは可能なのですが、あまり綺麗には仕上がらないので、ここはあとで切り取ることにします。押し付けて貼らないように注意します。
ひとまずこんな感じ。凹は完全に乾かしてから触ります。
細かい部分に貼る柄が欲しい時は、下の位置でカットして3つのものを切り出します。
凸部分もある程度は乾いてから触ったほうが、作業しやすいので、ひとまず放置。後に周囲をカットします。
横は大面積のを一気に貼りました。物理的に貼れない部分はちょっとカットを入れて押し付けてはります。下のはみ出した部分は乾いてから切断しました。
乾かしてから触るのが楽
放置しておいた凹部分は、デザインナイフでカットして剥がします。
ここで、マークセッター登場! カットした周囲が浮き上がったりするのを防ぐために、マークセッターを少し塗ります。マークセッターはこのデカール自体を溶かしてしまうので塗りすぎと、塗った後に触るのは慎重に。水に濡らした筆で触るのが吉です。
筆でトントントン、ヘイ! トントントン、ヘイ!
よく乾かしたら
ほぼ完成。
剥がれ防止のためにクリア塗料でコーティングする方がいいです。最終的につや消しにしたい場合も、クリア(グロス)でコーティングするほうが段差が目立ちにくくなります。上の写真はコーティングしてない状態です。薄いのがおわかりいただけるかとー。
コーティングについて
この後デカールの剥がれ防止と、ツヤ調整のために模型用クリアを塗装するわけですが、前述のとおりデリケートなので、4−5回は薄くクリア塗料を吹き付けてください。一気にやると、割れます。割れてしまった場合は、割れたクリア部分を1500番の紙やすりなどで削れば復旧できますが、デカールが割れると剥がさなくては復旧できないので、少しずつ吹き付けをお願いします。
薄くなんどもコーティングを重ねれば、最終的には研ぎ出しも可能です。
スプーンに貼ってみましょうかね
コーラルオレンジをスプーンに塗装しました。このくらいの3次曲面であれば、わりと簡単です。使用するのは、
ヘックス迷彩デカール 同系統色用 レッドです。
上のグレーと同じく、デカールフィクサーを塗った上に貼ります。
水に濡らした筆でしごきながら貼り付けていきます。放射線状にシワを伸ばしていくのがコツです。
このくらいまで貼れたら、少しセンター部分が固定されるまで放置します。夏場で5−10分くらい。
このあたりのセンター部分が固定されないと、マークセッターで軟化させても伸ばすのが大変なのです。
シワになった部分にだけ、マークセッターを塗ります。で、筆で伸ばしていきます。ここで力がかかるフィニッシュマスターや綿棒を使うと、表面が破れます。注意。
よく乾かしたら完成です。反対側に上で使ったグレーを貼ってみましたが、あまり合わないようです。黄土色?ちょっと変だ。
このあと、フィニッシュマスターに水を含ませて軽く押さえました。
デカールフィクサーは
乾燥した後に拭きとったほうがいいです。私はよく貼れているときにですが、流水で洗います。クリアを重ねれば目立ちにくくなりますが、洗ったほうがいいです。
デカールを貼ってコーティングする前に超音波洗浄機に突っ込んだり、歯ブラシで洗うと一発で剥がれますので要注意。水を含ませた筆でクリーニングするだけでもOKです。
このデカールを平面に貼るのは簡単なのですが、ほかの曲面などは慣れるまでちょっと時間がかかると思います。薄さを追求したデカールなので、扱いにくいと思いますが、仕上がりがよくなります!ぜひチャレンジを。