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「NASTAR」プローブ1

nastar

TAMOTUとともに、宇宙の謎に迫る!

BOOTHで購入したガレージキット、NASTARを作ります。先日製作した探査機イメージのTAMOTUと同じデザイナーの作品なので、デカールと配色を合わせて、並べて飾れるように作っています。

研究機関向け機器のメーカーや、宇宙探査をテーマにした作り起こしのコーポレートマークデカールは、今後販売するデカールに盛り込まれます。

途中の写真はツイッターでも公開しています。

光造形パーツの切り出しは慎重に

キットは、レジン製のパーツと3Dプリンタで出力したパーツで構成されたハイブリッドキットでした。レジンパーツはゲートとパーティングラインの処理、出力品は、積層痕の処理は最低限にとどめ、主にサポート跡の処理を行います。

キットに付属している3Dプリンタ製(光造形:UVレジン)のパーツは、プラキットのクリアパーツのように硬い素材なので、サポートをカットするときは慎重さが必要です。余分なしの位置で切断すると、サポート柱がバキッと割れて本体がえぐれてしまうので、少し残してカットし、ナイフとヤスリで処理しました。

ヒートプレスでクリアパーツを作る

ヘルメットのカバーは3Dプリンタ出力品(クリアUVレジン)が付属します。#400~#1000のやすりで丁寧に磨き、ラッカークリアで仕上げると下の画像のように仕上がりになります。

このままでも悪くはないのですが、さらなる透明度を求めてヒートプレスで作りなおすことにします。最近のキットだとヒートプレスの出番もないので、練習も兼ねています。

以前購入した、掃除機で吸うタイプの古典的なバキュームフォーマーです。
ヒートガンで熱したプラ板を、型(24mmのスチールボール)に被せて型取ります。

掃除機で吸うタイプの古典的なバキュームフォーマー

何度か試してみたのですが、半球に近い形状の場合は、プラ板をしっかり熱してクランプする仕組みが必要なようでうまくいきませんでした。もっと工夫すればうまくいくかもしれませんが、今回は別の方法を探ります。小型の部品であれば上記の機械でもうまく行ったことがあるので、形の向き不向きがあるようです。

そこで、廉価な歯科用(歯形型からマウスガードを作るなど)のバキュームフォーマーを入手したので再チャレンジします。周囲の抑え構造がしっかりしている恩恵か、今度は難なく成功しました。

一連の手順(プラ板の固定、加熱、プレス)がシステム化されているのでスムーズに作業が行えました。

ヒートプレスしたプラ板から型の鉄球を抜き、キットの形状に合わせてフリーハンドでカットします。失敗してもいいように予備も含めて複数個プレスしておきました。

ちなみに、地球でいうところの赤道付近以南までキャノピーパーツを作る必要がありましたが、そこまでの球になると型のスチールボールが抜けません。ボールの下に硬めの練り消しを使った取り除き用の下駄を履かせて、ハサミで切り開きました。現物合わせで下駄の調整が必要です。

ヒートプレスした透明プラ板を仮組。

大成功です。型を取り除く作業が大変でしたが、今回一番やってよかった工作で、スケール感が増しました。

内側のメカパーツのディテールがくっきりと見えるようになりました。

側面のライト部分もヒートプレスパーツに置換しました。

左がヒートプレス、右が未加工(キットパーツ)

布状パーツのグラデーション塗装

腕と足には、合成布のような軟質カバーが被さったようなディテールのパーツがあります。グラデーション塗装を施して、質感を表現します。

ベースカラーはライトガルグレー

今回は、

ベースカラー塗装 → クリアコート →

 シャドー(クリアブラック)吹き → メラミンスポンジで研磨

という手順で作業しました。

参考にした動画

凹部分にシャドー吹きする過程で凸部分に乗ってしまったクリアブラックを、メラミンスポンジで擦り落としてベースカラーを露出。凸部分のベースカラーを強調し、ハイライトの役割をさせています。

ポイントは(1)ベースカラーにしっかりクリアコートすること、(2)メラミンスポンジで擦った時にベースカラーまで削ってしまわないようにすること。

隣接した凹凸部分の明暗の差が際立ちました。

デカールを貼って、スーパースムースクリアをやや濃いめに吹いて強つや消し仕上げにしたら完成です。

布感がでました。

GLEPを使ってディテールアップ

メインカメラのレンズは、GLEPを使って自作したメカメカしいパーツに置換します。

0.5mmのプラ板を円盤状に加工し、GLEP03のリングパーツとGLEP05を組み合わせて貼り、ガイアノーツのUVクリアジェルを盛ってUVライトで硬化させました。

左がキット付属パーツ、右が自作パーツ

自作したレンズパーツをカメラに組み込むと画像の様になります。

細部塗装

細部の塗り分けには円形マスキングシールが活躍しました。

デカールを貼って、外装パーツは2液のウレタンクリアコートしました。最近はロックペイントのマルチトップクリアーSHを使用しています。7-8年前くらいに買ったものですが、硬化剤も単体硬化することなく無事で、まだ使えます。マルチトップクリアーSHは弊社のSIJ印刷、CF印刷デカールでもクラックが発生しにくく、扱いやすいです。ウレタン塗料を使うときは換気設備や防毒マスクを整えてください。

いよいよ完成です。

塗装

本体色
[G]EXホワイト

フレーム色
[G]ガンメタル
[C]スーパースムースクリア

細部ディテール
[T]エナメル クロームシルバー

スミ入れ
[T]スミ入れ塗料 グレイ

[G]:ガイアノーツ
[C]:GSIクレオス
[T]:TAMIYA

完成写真

©MARUTTOYS

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