ハイキューパーツの公式ブログ「テクニカルガイド」

マルットイズ「NOSERU」 2号機 NS-X2 塗装編

プライマリーメタリックの使い所

前回は工作編です。

塗装編では、ガイアカラー「プライマリーメタリックレッド」の活用法と、染料系クリアカラーを使ったときの染み出し、染み出し防止、デカールについて説明しています。

ガイアカラー「GS-07 サーフェイサーエヴォ パステルピンク」で下地を塗装していますが、同「プライマリーメタリックレッド」はあまり下地色に影響されないので、パーツ全体を近い色に塗装できれば他の色でもOKです。

プライマリーメタリックレッドを塗装しました。原材料のアルミ粉自体に着色がしてあるメタリックカラーなので、ムラになりにくくて便利なのですが、塗料そのままだと若干使い所に悩む色あいです。

そこで、均一な赤いメタリックの下地を生かして、その上に同「蛍光クリアーピンク」を塗装します。

通常のキャンディー塗装の工程

シルバー → クリアレッド

が定番ですが、

プライマリーメタリックレッド → 同色系のクリアカラー

で塗装するので、下地にも赤が入っている分、クリアカラーの塗装量が抑えられるので色むらも抑えられます。

本来のキャンディーカラー塗装工程のような色の深みは出ないのですが、簡単な塗装工程にしてはかなり見映えがする塗装ができます。より鮮やかに見せるために、「蛍光クリアピンク」を塗装しました。彩度の高いメタリックレッドが塗装できます。

染料系クリアカラーは染み出しに注意

染料系クリアカラーや染料系の塗料は、染料が染み出しきます。また、経年で褪色します。

キャラクターモデルの塗装でよくある失敗例で、紫系、青系塗料を鮮やかにするために蛍光ピンクを混ぜたりするjことがありますが、染料系の蛍光ピンクを混ぜてしまうと、上層に染み出してこないように注意が必要です。

一番簡単な対処法を先に説明しておきます。

ラッカー塗装下地ならば、ラッカー溶媒ではない例えばウレタンクリアなどで上掛け塗装すると、染み出しを根本的に防ぐことができます。緩衝材に異素材を使えば良いという仕組みです。

染み出すとどうなるの?

テスト用に染料系蛍光ピンクを塗装したスプーンを作りました。デカールを貼り付けた上にラッカークリアを塗装すると、デカールに染料が染み出します。

乾燥時間の短い順で4つ並べています。一番左はあまり乾燥させずにデカールを貼ってすぐにクリアを塗装したもの。4番目は乾燥時間を多く取ったものですが、もともと白いデカールがピンク色に染まってしまいました。

一番右が、デカールを貼り付け後にウレタンクリアを塗装した例です。異素材なので染み出しは皆無です。弊社では、ウレタンクリア塗装が必要な場合は、ロックペイントのマルチトップ クリヤーQシリーズのQRを使っています。硬化後にも重ね吹きができ、補修しやすい特徴があります。

染料クリアを混ぜて塗装したものは少なからず経年で褪色します。今までの経験では概ね2年くらいで色が少し抜けていって褪せてしまいました。UVカット機能付きのクリアを最後か間に重ねるのが良いかもしれません。

顔料塗料の重ね塗装は、乾燥しつつ進めればOK

プライマリーメタリックレッド+蛍光クリアピンク(染料)の上に顔料の不透明塗料を重ねるときは、乾燥時間をしっかりとって少しずつ塗装すれば影響を少なく塗装できます。

右側2つの追加パーツはリング型に白い塗装をしましたが、影響なく塗装できました。

染み出しは顔料系塗料の重ね吹きでも起きます

テストで使用した蛍光クリアピンク(染料)にレーシングホワイト(タミヤ)をウェットで一気に塗装した場合、みるみるうちに白がピンクに染まっていきます。

鮮やかな反面、染み出しに気を使う塗料ですが、塗装の上にデカールを貼らなかったり、上に塗装しなければいいだけなので、適材適所です。

デカール

デカールは、後継機を意識して「2」を強調したものにしました。弊社のハイキュープリント部門の印刷サービスを利用した場合の実際の流れを紹介するために、ハイキュープリントサイトのブログで詳しく説明しています。

下の画像は、Fusion360のデカール機能を使って大きさを検討した画像です。

決定稿
色違いを試したレンダリング画像
貼り付けて大きさ確認
コンテナの上面にも専用のものを作って貼りました。1号機とは少し形状が変わっています。
決定稿

RB03コーションデカール

使用したデカールは1/100 RB03 コーションデカール ワンカラーホワイトで、1号機を踏襲した位置に貼りました。

細かなデカールを貼っていくと急に精密感が高まる感じがあり、とても楽しい時間です。

RB03は主張しないデザインで、研究機器や宇宙関連機器などのプロダクトデザインからの流用をもとにしているのでNOSERUとの相性が良いようです。黄金比率設計なのも効いているかもしれません。

次回は完成編です。

コトブキヤ マルットイズ プラモデルシリーズ
NOSERU


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