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デカールの貼り方 基本編

NCデカールは貼りやすい?

NC05シリーズのデカールについて、「貼るのが難しい」「位置決めが上手くできない」という相談メールを頂きましたので、改めてデカール貼りの基本からおさらいです。

貼りやすい貼りにくいはデカールの生産技術で調節できる部分ではないので、使いやすさは「個人の手腕」による部分が多いですが、基本的なところが間違っていて、難しく感じている可能性がなきにしもあらず。教本などでも「実際には何秒漬けるのか?」が明記されていないことが多いので、基本的なところから順番を追って紹介をします。

大判デカールだと指でスライドしたりしても上手くいくのですが、いかんせんキャラクターモデルや飛行機などのスケールモデルでは注意書きは特に小さいですから、「筆」を使ってスライドさせるのが一般的です。

何秒濡らす?

何秒というより、台紙が湿るまで濡らすのが正解です。

順を追って紹介

まずは、使う道具ですね。皿はなんでもいいですが、用意するのは

  • 水入れの皿(水はちょっとでいいです)
  • 穂先の長い筆(セーブル推奨)
  • ピンセット(幸和のピンセットオススメ)
  • ガイアノーツ「フィニッシュマスター」
  • キムワイプ

最後のキムワイプですが、まぁ、なんでもいいです。ただし、繊維が抜け落ちない布かティッシュを推奨。デカールの下に入り込むとめんどくさいです。

デカールは3秒も濡らせばOK

大きさと、経年劣化の程度によるので、一概に3秒とも言えませんが、台紙の色が変わるくらい水に濡らせばOKです。大事なのは、皿の中で分離を待つのではなく、キムワイプの上で分離させることです。

皿の中で待つとどういう事が起きるかというと

  • ノリが溶け出す→定着しない→シルバリングの原因→アワワワ
  • デカールが分離して→アワワワ

なので、ノリが溶け出さないように、水に濡らしたあとは、すぐに水揚して、キムワイプの上に乗せ、ゆっくり動くまで待つのがポイントです。

で、水によーく濡らした筆で、デカールが台紙から分離したかどうか確かめます。

「こいつ、動くぞ!」

右手にピンセット、左手に筆

かみ合わせの良いピンセットがココで役に立つのですが、幸和(KFI)のピンセットです。ほかのピンセットと比べて特に高価でもないですし(高いピンセットがそれだけいいというものではないので)、模型作業に役立ちますので、ツル首を一本持っておくと多様とに使えます。

写真では分かりにくいですが、貼る部分を筆でよく濡らしておきます。これをしないと、一気に張り付いて位置がずらせなくなるので、大事です。

筆でデカールを抑えて、紙をスライドしてデカール自体を貼る部分に載せます。小さいデカールだとシワになったりしませんが、”デカール”を動かすと、折れたり、古いデカールだと割れたりしますので、紙をスライドさせるのがポイント。

位置決めも筆で

デカールで失敗してしまう人は、ここで、指や綿棒で位置決めしてしまうんだと思いますが、水に濡らした筆+あらかじめ濡らした表面であれば、筆で簡単に位置調整ができます。筆でちょんちょん動かして周りの線に対して平行垂直になるように調整します。

あとはころころ

あとはもう密着させるだけなんですが、オススメなのがガイアノーツ「フィニッシュマスター」です。墨入れ用として販売されていることが多いですが、デカールを密着させるのに便利です。もちろん綺麗なのを使って・・・やりましょ。綿棒だとフィニッシュマスターのように柔らかく凹みませんので上手く密着させるのが難しいですが、これだと簡単です。あ、あと軸をなくした人は爪楊枝でも刺さりますので、それで代用を。

さて完成です

水平垂直の出ている精度の高い貼り方は模型全体を引き締めます。

生産から時期が経っていないデカールだと、正しく貼ればシルバリングすることはまずないですが、シルバリングした場合は、対処法がありますので紹介します。

よくいわゆる「デカールの密着剤」は絶対使いましょう!みたいに言われますが、必ず必要ではないです。古いデカールでノリが弱くなったものに使うのであって、塗ることで逆にデカールが柔らかくなってしまって余計に扱いにくくなってしまうこともあります。溶剤や添加剤は適材適所で小さいデカールも快適にこなしましょ。

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