アスラ+バイク=「朱羅 騎兵」?
メガミデバイスを使った作例第2弾。「朱羅 忍者」(以下「朱羅 」)と、ギガンティックティックアームズ「ラピッドレイダー」(以下「ラピッドレイダー」)を組み合わせてみよう。という試みです。
いわば「朱羅 騎兵」といったところでしょうか。美少女にバイクというのは鉄板の組み合わせですね。
まずは仮組み
まずはざっくりとキットの仮組みをします。「ラピッドレイダー」が想像以上に大きいです。ランナーが収まっていた箱からは想像できないほどのサイズ。
仮組みしたキットを見た人は口を揃えて「あれ?ラピッドレイダー大きくない?」という感想を漏らしていました。
前後長が24㎝ぐらいあるのでとても迫力があります。
一方の「朱羅 」は複雑な色分けがキットの状態でほぼ完璧。水転写式デカールも付属しています。
「ラピッドレイダー」に乗せてみましたが可動も良好で素直にライディングポジションが取れます。
「朱羅」はパッケージアートに準拠のオーソドックスな仕上げを目指します。「ラピッドレイダー」はカウルにヘックス迷彩の次期試作品デカールを貼りこみ、「朱羅」の情報量に負けないビジュアルに仕上げる方向で進めていこうと思います。
「ラピッドレイダー」の工作まとめ
カウルは磁石で脱着工作
バイクのカウルにあるハードポイントは今回は使用しません。そのままだと完成後にちょっと目立つかも?と思うのでここは埋めてしまいましょう。
キットの余りのジョイントパーツを加工して、ハードポイントの蓋にします。
フロント周りを覆うように装着するカウルパーツはネオジム磁石で着脱可能になるよう加工します。
キットに元からあるカウル接続用の3mm軸を3mm穴に埋まらない長さに短縮加工します。 軸中央にあった肉抜き穴を2.0mmのドリルで拡張し、2.0×1.0mmのネオジム磁石を埋め込みます。(赤丸部分)
各3㎜穴には3.0×1.5mmのネオジム磁石を埋め込みます。(青丸部分)
これでネオジム磁石でのトップカウルの着脱が可能になりました。
アンダーカウルは手が触れやすい位置にありますが、トップカウルと異なり磁石を埋め込むことができるのが一か所しかありません。
意図しない衝撃が加わった際に、一か所での磁石接続ではカウルが脱落することがあるかもしれないので、それを防ぐために少し工夫を加えます。
用意するのは軸穴付きのネオジム磁石!
その名の通り、中央に1.2mmの穴が開けてあるネオジム磁石です。
使い方は簡単です。下の画像の様にどちらかの穴に適度な長さの金属線を接着するだけです。
そうすることで磁石同士の接地面に対して、横方向に加わる力に強くなります。
軸穴付きネオジム磁石は、大きくて重量があるもの(例えばメカキットのガトリングガンなど)を保持するときに非常に有効なアイテムです。
軸穴付きネオジム磁石についてのさらに詳しい説明はリンク先をご覧ください。
いざという時のための軸穴付ネオジム磁石
アームの後ハメ加工
タイヤとフレームを繋ぐフロントフォークとリアのスイングアームは色分けの異なるパーツを挟み込む構造になっています。
塗装する際の手間を省くために、後ハメ加工を施します。
中央のパーツにある軸と出っ張り(赤丸)そして上下を繋ぐブリッジの部分(緑丸)をカット。左右のパーツには中央のパーツを接着しやすいようにプラ材で柱を立てます(青丸)
これでそれぞれの部位をマスキングせずに塗装可能になります。組み立て時にはハイグレード模型用セメダインなどを使用して接着しましょう。
なおセンターのパーツは後ハメ時に塗膜が剥がれたり、左右のパーツの合わせ目にヒビが入ることを防ぐために、表面を0.1~0.2mmくらい削っておくことが重要です。(この作業を省略したせいで過去に何度失敗してきたことか…)
タイヤの合わせ目消しのための工作
タイヤにはクリアパーツを2枚挟み込む構造です。タイヤの合わせ目はぜひ消したいところですが、クリアパーツを後ハメするのは難しいのでマスキング塗装で対応します。
サークルカッターを使い大判のマスキングシートから、クリアパーツの大きさに合わせた円形のマスキングテープを切り出します(約4cmくらい)。クリアパーツに貼ります。
左右のタイヤを接着し合わせ目を消しました(先にマスキングをしたのは、タイヤの削りカスがクリアパーツの間に入ると除去が難しくなるためです)
ラピッドレイダーに加えた工作は以上になります。あとは一般的な表面処理です(ゲート処理、パーティングライン処理など)
「朱羅 忍者」の工作まとめ
関節を磁石式に変換
バイクの次は搭乗者の「朱羅」にも工作を施します!
「朱羅」の臀部と胴体の挟み込み構造を、ネオジム磁石で接続するように改造してみました。(Twitterでモデラーの方が紹介されていた方法を真似ました)
YoutubeにUPした動画のリンクを貼っておきますのでまずはこちらをご覧ください。
胴体側の突起は山なり形状になっているので未加工でもやり方次第でうまく後ハメ出来そうな感じにはなってはいます。
しかし、合わせ目消しをして塗装したパーツをこのような箇所に後ハメした際に「パキッ」とヒビが入ってしまった経験がある方もいるのではないでしょうか。あらかじめ強固に接着してから合わせ目を消すことで、万が一のトラブルを予防することもができます。
胴体側の突起をナイフで落として、同じ位置にドリルで穴を開けて2.0×1.0mmのネオジム磁石を埋め込みます。
腰側は”磁石の受け”となる部分が必要になるので、「センタードリラー」で2.0mmの穴開け加工をした3.0mmのプラ棒を腰パーツに埋め込み、ここに磁石を埋め込みました。
磁石接続に置き換えることで、 塗装後の組み換えも気軽に行えるようになるというメリットもあります!(重要ですよね)
見た目に変化がなく地味ですが効果大のオススメ工作です。
胴体側面の合わせ目処理
続けて胴体側面の合わせ目を処理します。この合わせ目にかかるようにディテールがあるので、「ラインスクライバー(0.15)」で彫りなおしてシャープにしておきました。
胸部と腹部を連結する関節は、組み立て用の軸を加工して後ハメします。
腹部に斜めから差し込むようにしてパチッとはめ込みます。
肌パーツは簡単フィニッシュ仕上げ
「朱羅」の肌パーツは簡単フィニッシュ(基本未塗装、必要なところだけ部分塗装)にします。
まず合わせ目を0.2~0.3mmくらいの隙間を開けた状態で組み立てます。
その隙間にガイアノーツ「瞬間カラーパテ フレッシュ」をヘラなどで埋めるように流し込んだ後、パーツをムニュっと閉じて接着します!
カラーパテがしっかり硬化したらヤスリ掛けして「ムニュ」ではみ出たカラーパテを削り落とします。
ゲート跡や合わせ目跡は若干黒っぽくみえるので、最後にフレームアームズカラー「FG-01 プラスチックフレッシュ」を軽く吹いて周囲との色味を調整しました。
サンドブラストマシンが今回も活躍
ゲート、パーティングライン、合わせ目処理が終わったパーツ群はサンドブラストでまとめて表面処理を済ませてしまいます。
サンドブラストマシンはグローブが厚い(手指の保護を兼ねている)ため細かいパーツを持ち難いです。そのためパーツ単位の状態よりも仮組みした状態で丸ごとブラスト処理すると作業性が高いです。
この作業で1パーツずつ磨く手間が省けてかなり時短できました。
サンドブラストについては蟹カラーに塗装したアビスクローラーの工作編にて詳しく解説していますのでそちらもどうぞ。
新導入!サンドブラストで表面処理
サンドブラストは使うメディア(研磨剤)によって仕上がりが変わりますので、目的に応じて使い分けが必要です。とはいっても、頻繁にメディアを入れ替えて使うことは手間なため、メディアは1種に固定しております。別用途で別の研磨剤が必要な場合は、複数台用意するほうが楽かと思われます。
弊社でサンドブラストを使う目的は、塗料ののりを良くすることで、奥まった箇所ももれなく研磨することができ、もれなく400番の紙やすりで研磨した物体ができあがります。プラパーツ相手でもエッジが死なない程度の粒度とエア圧に調整しているため、研磨時間が短縮できています。
使用しているメディアは、名称上の粒度は#220の白色溶融アルミナ質研磨材(モノタロウで買います)。紙やすりでいうところの、400番相当に表面加工することができます。エア圧を上げていく実質の研磨具合が上がり、金属製工具の錆落としや、塗装済み完成品フィギュアなどの塗装を剥ぐ用途にも使えます。
密閉された中でエアコンプレッサーから高圧のエアーを吹き出すということは、その空気の出口も必要なので、強力な掃除機で常に出口側も吸わなくてはいけないわけで、屋内での使用はあまりオススメできるものではありません。エアのバランスが崩れると研磨剤が部屋に乱舞します。屋外設置し、水で床を湿らせたり、水で流せる場所での使用がおすすめです。
エア圧を押さえれば研磨剤の散乱も抑えられますが、今度は研磨力が落ちますので、バランスが難しいところです。
ちなみにサンドブラスト後は超音波洗浄機または歯ブラシなどで水洗浄が必要です。表面に突き刺さった研磨剤を取り除く必要があります。
その2に続きます。
使用キット
メガミデバイス
・朱羅 忍者
ギガンティックアームズ
・ラピッドレイダー
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